fc2ブログ

嘘をつける喫茶店



白亜の壁に赤い扉がトレードマークの喫茶店を訪れた。
扉を開けると天井はおろかくぐったはずのドアも消えている。
そのせいか店内というか部屋だった領域には太陽の光であふれている。

お店の店主は人の良さそうな老人で、
コーギーがその足元にいた。
カウンターに腰かけていた店主は私に「いらっしゃい」と声をかけると、
私の手を引きコーギーをなでるよう勧める。


どうやらこの店主、私を盲目と思っているらしい。
私はしゃがみ、床に触れ手を這わせてからコーギーの頭に触れた。
暖かかい。

長く犬と戯れていたかったが、
なんとなく居心地が悪くなって、帰る旨を店主に告げた。
すると、わざわざ私の手をとり青い扉の前にいざなった。

「またおいで」

彼は扉をあけ、にこやかに言う。
つられて微笑み返すが、
2度とここには来れないと悟ったので足早に扉をくぐった。







追伸

三脚は必須です。


スポンサーサイト



テーマ : ブログ日記
ジャンル : ブログ

プロフィール

ばら

Author:ばら
音楽を作りたい人と
歌を歌いたい人と
絵を描きたい人が集まったら
サークルができました。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
アーカイブでクラウド

カテゴリ
カウンタア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる